さて完結まであと2話です。
自己満足ですみません。。。
自己満足ですみません。。。
翌朝10時チェックアウト
Vとの待ち合わせ時間は12時なので、宿でのんびりネットをして、15分前に宿を発ち、12時ちょうどにテルミニ駅105番のバス停の前に着いた。
そう
別に何もないバス停
Vを待つ間に暇すぎて撮ったなんてことのない写真笑
私はVが12時ちょうどに来るとは思っていなかった
なんというか、そんな気がした
待つ覚悟で私は12時きっかりに行った
何よりほんとに12時に105番のバス亭で合っているのかどうかが不安…
しかし暑い。。。
まったく日陰のないバス停。
何十台のバスが停まるバス停だから、もちろん日陰のあるところもある
でもこの105番から離れて一瞬でもVを見逃したらと思うと離れるに離れられない
12:10
太陽の直射日光のあたるじりっじりした105番のバス
暑い…
と、そこに!
Vらしき女性がにこっと笑って向こうから駆け寄ってくるではないか…!
V-----—!!
奇跡っ!!!!!
あわてて荷物を背負い込みベンチから立ち上がり右手を前に差し出した
『Vぅ…!』
…とその瞬間
なんとその女性は私の目の前をすーーーっと通り過ぎ
バスに乗り込んだ
…………。
(もちろん右手は虚しく差し出されたまま、私の目線も右から左へと流れていった…)
人違いっっっ…!!
いや…
言い訳じゃないけど、他の国の人が日本人なのか韓国人なのか中国人なのかアジア人の区別がつかないのと一緒よ…
V----------—っ
そして20分経過の12:20
ふと不安になった
ほんとに待ち合わせはここで合ってるんだろうか
12時で間違いないのだろうか
先程の女性はあまりにもVにそっくりだったけど、もしや105番のバスに乗れということだったのだろうか…
えーーいうじうじ悩んでても仕方ないので
VにCall!!!!!
『ちゃお!マーヤ?』
『ちゃおV!今どこ?』
『i arrive! i arrive!』
arrive=到着する
うん。
もう着くのか、着いたのか、向かっている途中なのかよくわからない。。。
(もう着くよとか今行くよとかはi’m coming soon)
とりあえずテルミニ駅105番のバス停でね!と確認した
よかった
間違ってはいないようだ
さてVのもうすぐ着くよ的な言い回し
私の予想では遅くとも20分以内であった
現在12:25
すでに待ち合わせから25分経過
とりあえず待つ
待つのは全然苦ではない…
しかし…暑すぎる…
バスが来るたびバスの横にたってちょっと日陰に入るもの
バスはまたすぐ出発してしまう…
めちゃくちゃ暑いので、しまいには長袖パーカーを羽織り
帽子をかぶってさらにパーカーの帽子をかぶる
Vがいつ来るかわかんないから水も買いに行けない。。。
いったい何台のバスを見送ったことだろうか…
そしていったい何人のVらしき女性を見間違えただろうか…笑
もう来る…!もう来る…!
っていうかお願い…!
っとそこに
『マーヤーーーー!!ごめんねー!!』
と駆け寄ってくるVの姿が!!!!!!
さすがに私も一目でわかった
『V--------っ!!
。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。泣』
良かった
本当に良かった
無事に再会できた!!!
結局Vが現れたのは
約束から1時間5分後の13:05
私が電話して『もう着くわ』的な言い方だった時間から40分が経過していた笑
大荷物を抱えてる私を見て、Vは一瞬曇った表情をした
あれ…?
私はてっきりこのままVの家に行くんだと思っていた
このワイン20本分の荷物を早く置きたい
私も疲労がたまっていた
…が
Vは困った顔をして話をし始めた
『私は今91歳のおばあちゃんのお世話をしながら、昼も夜も働いているの。住み込みでね。だからうちに一緒には住めないのよ。』
………え?
『とりあえずランチを一緒に食べましょう。こっちよ。』
といい、テルミニ駅にあるフードコートに連れて行ってくれた
『Vっ!ちょ、ちょっとまって、私今小銭しか持ってないよ!ここクレジットカード使える!?』
『いいのいいの大丈夫。』
だ、大丈夫ってなにが汗
とりあえずお会計のところに並ぶ
するとVが『一緒で』というようなことを言い、お金をすっと払ってくれた。
ギリギリ生活をしてまともに食べてなかった私にとって涙が出そうになった
生活をどこかで安定させるためには本当にお金があっという間に飛んでいく。
ねぇV
私知ってるよ
おととし2カ月も同じ相部屋で暮らしてたんだ
あのときVは一生懸命お掃除とかドライバーとかの仕事をして毎日働いて
自分の生活もあるけど、祖国エリトリアにいる家族に仕送りを続けていたんだ
『ローマは何でも高い』
『電気はこまめに消してね』
『あと何年も何年も働かなきゃ』
そう毎日言いながら、私にいつもおいしいカフェをいれてくれ、ごはんを作ってくれていた優しいあなたを
Vは今の状況を話し始めた
Vは今の状況を話し始めた
『マーヤ、前一緒に住んでた家はね、契約満了になって出なきゃいけなくなったの。今は91歳の女性のお世話をしながら住み込みで働いてるの。』
『契約は1年で18000ユーロ。悪くはないのよ。友達に紹介してもらった仕事で、私は本当に運が良かったと思う。』
聞けばこの仕事をし始めたのは今月の頭からで、
ちょうど2週間経った頃だったそうだ
『8ヶ月も働いてなかったのよ。無職の人用の政府の管理する貸し部屋みたいなとこに住んでたの。』
悲しそうな顔に言葉が上手くでてこなかった
イタリア経済はそんなに良くないと聞く
失業率も高い
おととし私も仕事を探しまわっていたころ、
本当にお金もなくて困っていたときVが配給所のようなところに連れて行ってくれたことがある
イタリア語だったから何を言ってるかはわかんなかったけど
『この子仕事なくて、食べるものも買えなくて』
そんなようなことを言ってくれたんだと思う
パスタ、パン、チーズ、トマト缶、ツナ缶etc。。。
こんな得体の知れない私にも物資を分け与えてくれた。
私はそれをとても複雑な想いで受け取った。
公民館のようなところの廊下に並んで座り、
順番を待つ人々の光景は未だに目に焼きついている
イタリアは屈指の観光都市だよ
パスタにピッツァに美味しいスイーツにカフェに
綺麗な建物が並び、歴史的建造物が残るとても素敵な街々
その影では
赤ちゃんを抱いた若いお母さんがエスカレーターの下に座り、チップを求める姿
電車の券売機で切符を買おうとする隣で、やたらアドバイスしてくる若者が最後にチップをせがんできたり(小さい女の子のときもあった)
電車の中でアコーディオンを幼いお姉ちゃんが弾き、そのあとを紙コップを持ったさらに幼い妹がチップを求めてくる姿
お父さんがアコーディオンを弾き、3歳ぐらいの子供が紙コップを持ってチップをせがむ姿さえみかける
そんな親の後姿を追いながら、お金を求めて育つ子供がいるんだ
ちょうど香港で働いていたとき
日曜日になると公園や陸橋で、ビニールシートをひいて集まるフィリピン人の女性をびっくりするぐらいに見かけた
住み込みのお手伝いさんも多い
日曜日がお休み
贅沢な生活をするわけではなく、週に一度のお休みを同じ環境で働いている仲間と、お弁当やお菓子を持ち寄りお金をかけずに楽しむ姿
祖国に仕送りするためにみな出稼ぎに来ている
家族を守るために出稼ぎに海外に出る日本人なんていないよ
どれだけ…
どれだけ私たちは恵まれているんだろう
Vは続けた
『このリゾット2皿とフルーツ、水2本で16ユーロよ。(約2000円)』
『16ユーロ…ねぇ信じられる?信じられないわ。本当に何でも高くて…』
イタリアの平均月収って1000ユーロって聞いたことがあるけれど
(もちろん私はよく知らないから間違っていたら申し訳ないけれども)
今は円安でユーロの価値も日本円に比べたらいいだけで
月1000ユーロって今でいえば13~14万だけど
おととしなんかは10万。。。
1年契約で18000ユーロって約240万だけど
これはただの日本円換算しただけの話だから
こっちでの生活が厳しいのは何らかわりない
家賃も物価も高くて
仕送りもしてるんだもの
『私がちゃんと英語できないから、うまく説明できなくて。ごめんねごめんね。せっかくマーヤがローマに来たのに…住める場所も提供できなくてごめんね。』
Vは何度も私に謝り、アンハッピーだと言った
今の家は…
家だけど牢獄にいるようだと…
ねぇ違うよV
確かに一緒に住まわせて欲しかったけど、私はVと再会して元気な顔を見れたことで十分なのに…
色々と複雑な想いでいっぱいだった…
次回最終話。